コラム

【名作まとめ】一倉宏さんのキャッチコピー80本【ことばを信じる】

2021年6月1日

 

こんにちは、カイです。

この記事では一倉宏さんの名作キャッチコピーをご紹介します。

カイ

 

コピーライターとして数々の名作を世に生み出し、TCC最高賞など多数受賞されている一倉宏さん。

 

コピーだけではなくコマーシャルソングや作詞なども、幅広く手がけています。

 

一倉宏さんはコピーを作る際に、【①利用者 ②客観的 ③擬人化】切り口から考えを広げるそうです。

 

これらの視点で想像しながら見ると、より深く学べるかもしれません。

 

ジャンルごとにまとめているので、気になるところからご覧ください。

 

時代 編

 

IMAGINE THE FUTURE.

(筑波大学)

 

一倉宏さんは、筑波大学の1期生として入学されています。

2010年、筑波大学は理念を表すスローガンを作ろうとしていて、その話を聞いた一倉宏さんが、「私が手伝います」と申し出たそうです。

そして筑波大学の原点を見つめ直して作られたのが、このコピー。

それに呼応して「未来構想大学」というコンセプトも生まれたようです。

コピーで恩返し。すてきですね。

参考:1期生として筑波大ブランディングに尽力

カイ

 

こんにちは、未来くん。

そちらはどうですか。

(毎日新聞社)

 

みらいって いつくるの

(積水ハウス)

 

どこまで行ったら、未来だろう。

(ソニー/WALKMAN)

 

20世紀のおみやげに。

光と音のウォークマン。

(ソニー/WALKMAN)

 

20世紀に、置いてゆくもの。

21世紀に、持ってゆくもの。

(シャープ/ウィンドウ)

 

20世紀に、何を見ましたか。

21世紀に、何を見たいですか。

(シャープ/ウィンドウ)

 

さあ、液晶世紀へ。

(シャープ)

 

合言葉は、ダイジョウブカ?

21世紀大丈夫化計画。

(三菱電機)

 

日本は、

もういちど、

試される。

(トヨタ自動車/ReBORN)

 

愛情 編

 

愛に雪、

恋を白。

(東日本旅客鉄道/JR SKISKI)

 

『愛・雪・恋・白』の漢字4文字をメインにして、スキーキャンペーンを完璧にブランディング。

「ダジャレではなく、掛詞。確信犯的に強く打ち出しました」とコメントされています。

このコピーを見て、「好きだ、感動した」という若者も多く、当時は文字だけのポスターが盗まれることもあったらしい。

1本の映画を妄想できるくらい、濃密なコピーですね。

参考①:「愛に雪、恋を白」で、全身に電流が走った!あの名コピーが生まれるまで

参考②:幼児化する文化も要因

カイ

CMバージョンはこちら。曲は『GLAY - Winter,again』。

サビの「逢いたいから、恋しくて」という歌詞は、コピーともベストマッチ。

ミリオンセラーにもなった曲でもあり、理想的なキャンペーンソングです。

カイ

 

あなたから、幸せになってください。

(岩田屋)

 

いじわるは、

少年のI LOVE YOUでした。

(岩田屋)

 

泣き虫は、

少女のI NEED YOUでした。

(岩田屋)

 

ごめん。もう、本命しか、いらない。

(パルコ)

 

一生モノの、ウェディング。

(リクルート/ゼクシィ)

 

愛してる人と、ピーしてる。

(アステル東京)

 

人生 編

 

いい空は青い。

(全日本空輸)

 

すがすがしいほど真っ青な空に、シンプルな白い文字。

そして挑戦的で、情熱的なボディコピー。

「人の想像力を駆り立てるつもりで作った広告。クリエイティブに対するセンスと理解がある企業だからできた」と一倉宏さんもコメントされています。

見ているだけで、心が清々しくなってくる広告です。

参考:クリエイティブと広告主の理解

カイ

 

はたちを過ぎたら21。

(サントリー/サントリーウイスキー21 ライト&スムーズ)

 

みんな、百まで、生きようぜぃ。

(サントリー/サントリーQ)

 

スカートも哲学書も、

めくるのは十代だった。

(サントリー/ローヤル)

 

童貞と天才は、十代の夏に捨てられる。

(サントリー/「世界の有名画家」10代の作品展)

 

40代は、きかない年頃

(資生堂)

 

いえなかった言葉たちは、

どうしていますか。

(NTT)

 

絵日記が、きっと、胸を張る。

(東日本旅客鉄道)

 

メールじゃ会えない、レールで会おう。

(東日本旅客鉄道)

 

「ただいま」と

「いってきます」のあいだにある、

この時間が、私は好きだ。

(積水ハウス)

 

合格して、飛びあがるほどよろこんで、

ちょっとさびしくなる。

(積水ハウス)

 

頑張って、といい、

頑張りすぎないで、と思う。

(三共/リゲインEB錠)

 

憲法第二十二条には

「職業選択の自由」と

書いてある。

(学生援護会/Salida)

 

人間 編 

 

きれいなおねえさんは、

好きですか。

(松下電工)

 

こう聞かれてNOと答える男性が、この世にいるでしょうか。(反語)

「あの時は、もっと広い視野でみてみようと思ったんです」とコメントされています。

子どもからお年寄りまで、女性すらも虜にする、魅力的なコピーです。

15年以上つづいたロングラン広告。

当時のキャッチフレーズ認知率は9割越えでした。

参考①:【ゲスト教授】一倉 宏/ことばの快感

参考②:「きれいなおねえさん」の裏側にあるメディア戦略

カイ

こちらはCMバージョンです。

松嶋菜々子さんがどセクシーすぎて、ドキドキします。

ちなみに、歴代の「きれおね」は以下の通りです。

初代:水野真紀さん

二代目:松嶋菜々子さん

三代目:片瀬奈々さん

四代目:中谷美紀さん

五代目:仲間由紀恵さん

カイ

 

たるんだ私を許さない。

(資生堂)

 

ライバルだった、友だちは。

(資生堂/IN&ON)

 

もしも、

女性に魅力がなかったら、

人類は、

この先どうなるでしょう。

(ポーラ化粧品)

 

けれども、君は永遠じゃない。

(パルコ)

 

にんげん、岩田のつもりです。

(岩田屋)

 

アタマのキレイなひと。

(講談社/フラウ)

 

どうして、みんな、

馬鹿のふりして生きているのだろう。

(小学館/SAPIO)

 

どうして、僕たち、

アホのまねして笑っているのだろう。

(小学館/SAPIO)

 

私は、ドライではありません。

(サントリー/サントリーモルツ)

 

欲しがる男には、勝てません。

(サントリー/バレンタイン・ベイビーズ)

 

消せない男。

(JT/セブンスター・ボックス)

 

音が進化した、人はどうですか?

(ソニー/WALKMAN)

 

この駅で君と待ち合わせて

(ユナイテッドアローズ/グリーンレーベルリラクシング)

 

理性の理の字を、喪失しました。

(写真展「幻視」実行委員会)

 

はじめてを、くりかえして、

大人になるのだろう。

(東日本旅客_道/MY FIRST AOMORI)

 

私だって、

日本経済を支えているひとりなんだから、

もうすこし、幸せにしてほしい。

(学生援護会/Salida)

 

家は、太陽光で発電して。

私は、月の光で充電します。

(積水ハウス)

 

家族 編 

 

わが家、見なおし隊。

(パナソニック)

 

「リフォームしたい、わが家を見直したいな」というお客さまのきもちに沿えて、『見なおし隊』とネーミングされたそうです。

マークやジャンパーもつくって、リフォームのブランド力をUP。

ニーズのど真ん中をくみ取りつつ、覚えやすいチャーミングな名前ですよね。

参考:ユーザー接点となる店舗を活気づける

カイ

 

子が親離れするころ、

親は、その親のことを想う。

(積水ハウス)

 

さすがに、母は、

母親としての先輩だった。

(積水ハウス)

 

君は何才まで、

一緒に入ってくれるだろうか。

(東京ガス/お風呂の日広告)

 

ぼくは、おとこどうしで、はいりたいから、

はやくかえってきてください。

(東京ガス/お風呂の日広告)

 

むこう側から見たら、

 こんな顔してるよ、きっと。

(東京ガス)

 

むすめのはだかは、

しまっておきたい。

(東陶機器/シャンプードレッサー)

 

いつも、仕事の日や、

家族の日ばかりだから、

父の日ぐらい、

パパの日にしてあげたい。

(岩田屋)

 

父も母も素敵でした。

(サントリー/ビール)

 

商品 編 

 

うまいんだな、これがっ。

(サントリー/サントリーモルツ)

 

ビールのCMなのに、小さい子どもがジュースを飲んで「うまいんだな、これがっ」と言っていたそうです。

日常に溶け込んで、老若男女関係なくだれでもマネしたくなる言葉って、コピーとして理想ですよね。

一倉宏さんの代表作とも言えるコピー。

参考:そして代表作ともいえる「うまいんだな、これがっ。」というコピーを考案。

カイ

こちらはCMバージョンです。

ほんっとうにおいしそうですよね〜。

カイ

 

ウイスキーの中には、

俺の独立国がある。

(サントリー/ウイスキー)

 

ウイスキーを古いと言う

あんたが古いぜ。

(サントリー/リザーブ)

 

ウイスキーをオヤジと言ったのは誰だ。

(サントリー/リザーブ)

 

ウイスキーがカッコよくなくて、

何がカッコいいんだ。

(サントリー/リザーブ)

 

科学では説明できないことだけど、

それが大人の味というものです。

(サントリー/サントリーオールド)

 

アカレゼルブ、シロレゼルブ、ロゼレゼルブ。

(サントリー/サントリーレゼルブ)

 

今日はウチ メシ ワインの日。

(サントリー/サントリーレゼルブ)

 

 

エンディングまで、泣くんじゃない。

(MOTHER)

 

このコピー、糸井重里さんの作品と思ってましたが、一倉宏さんが作られたんですね。

糸井重里さんから指名されて、何十案も作った中から、このコピーが選ばれたそうです。

間違って認識していました……

参考:一倉広告製作所

カイ

MOTHER』は糸井重里さんが企画し、シナリオを書き、全体をプロデュースした大人気RPGです。

もちろんキャッチコピーも担当されていて、「大人も子供も、おねーさんも。(MOTHER2)」は名コピーとして知られています。

カイ

 

夢よ、もう1階。

(積水ハウス/積水ハウスの3・4階建て)

 

リビングは、環境です。

(シャープ)

 

SILENT SMOKE.

(JT/セブンスター・ボックス)

 

I らしく、SEIKO。

(SEIKO/NOIE)

 

企業 編 

 

あなたと、コンビに、

(ファミリーマート)

 

TVCMでもおなじみの軽快なリズムを、一度は聴いたことあるのでは。

コンビニ業界では初めて、特許庁から『音商標』として登録を認められた、コーポレートメッセージだそうです。

ちなみにこのコピーは、サラッと書いてできたとのこと。

「当時の若者たちが『コンビニ』と呼びはじめて、これだなと」

偶然の産物というよりも、経験の積み重ねで生まれた名コピーだなぁと思いました。

参考①:「あなたと、コンビに、ファミリーマート」が「音商標」として特許庁に登録

参考②:「あなたと、コンビに」はサラッと書いたコピーだった

カイ

 

まだ、ここにない、出会い。

(リクルート)

 

すべての人生が、

すばらしい。

(リクルート)

 

imageする会社。

(FUJI FILM)

 

冬の列車は、旅のこたつ。

(東日本旅客鉄道)

 

普通列車の、普通が好き。

(東日本旅客鉄道)

 

FOODは、風土だ。

(東日本旅客鉄道)

 

クイズ。日本海と太平洋の幸、

どちらもある県は?

(東日本旅客_道/MY FIRST AOMORI)

 

この惑星に、水をつくる工場はない。

「デハ、ドコデツクルノデスカ」と聞いたら、

「それは、森だよ」という。ハテナ?

(サントリー)

 

 

家に帰れば、積水ハウス。

(積水ハウス)

 

2010年、積水ハウスが50周年を迎えるのを機につくられた、コミュニケーションワード。

「特に設定などを決めず、自分自身の経験も踏まえて、生活者の目線で書いています」とコメントされています。

人生のあらゆることが、コピーのヒントなんですね。

勉強になります。

参考:言いたいことを洗練された言葉で伝える

カイ

 

まとめ:ことばを信じる

 

いかがでしたでしょうか。

 

有名どころから隠れた名作まで、心にグッとくるコピーが、たくさんあったと思います。

 

どうやったら、このような数々の名作をつくれるようになるのか。

 

その秘密は、一倉宏さんのコピーへの信念から見えてきます。

 

どのような場でも「ことばを信じる」ことは貫きたいと思います。広告のコピーは第一義的にビジネスには違いないけれど、ことばに対する想いは、ただのビジネスのものではないつもりです。

——一倉広告製作所 より引用

 

また一倉宏さんの著書『ことばになりたい』のあとがきにも、このように綴られています。

 

広告のコピーは、いうまでもなく「ビジネスのことば」です。結果を導きだすためのものです。しかし商品の購入という結果の手前には、かならず好意や親愛といった「情」の入り口があると考えます。だとすれば、私たちが日々の「ことば」に託しているものとそれほど違わないのではないでしょうか。

——『ことばになりたい』あとがき より引用

 

人が商品を買うのは、「便利だから」という表面的な理由だけではありません。

 

便利になることで得られる「うれしい・たのしい」を想像したり、そもそもの商品や企業の『想い』に共感して買うんですね。

 

ひとつひとつの言葉を大切にしながら、コツコツ成長していきましょう!

 

 

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