コラム

【名作まとめ】秋山晶さんのキャッチコピー80本【”長い”コピーライター】

2021年5月24日

 

こんにちは、カイです。

この記事では秋山晶さんの名作キャッチコピーをご紹介します。

カイ

 

東京コピーライターズクラブの元会長でもある秋山晶さん。(2007年4月に仲畑貴志さんへ引き継ぎました。)

 

22歳でコピーライターになり、現在(2021年5月)に至るまで、現役でずっとコピーを作り続けています。

 

秋山晶さんもご自身のことを『”長い”コピーライター』と称し、「コピーライターは、停滞してはいけない」とコメントされています。

 

なかでもキユーピーとの関わりは歴史が深く、1966年から50年以上にわたり手がけているので、コピーの数が桁違いです。

 

ジャンルごとにまとめているので、気になるところからご覧ください。

 

地球 編

 

自然と、私と、野菜。

THANKS TO NATURE

(キユーピー)

 

野菜は自然が育んだ、大切な食物です。

太陽の光を浴びて、土の畑で育つ野菜は、

ヒトの生命の故郷である自然を感じさせます。

野菜に、自然に、感謝があふれるコピーです。

こちらにはCMや撮影秘話が載っています。

参考:キユーピーマヨネーズ「NATURE 畑」篇

広々とした空と大地と、太陽に照らされる野菜たち。

見てるだけで、健康になれそうです。

カイ

 

植物が文明をつくった。

(キユーピー/キユーピーマヨネーズ)

 

地上だけが変わる。空は変わらない。

(キユーピー/キユーピーマヨネーズ)

 

地球のミネラルは野菜の中にある。

(キユーピー/キユーピーマヨネーズ)

 

生命は土に育まれる。

(キユーピー/キユーピーマヨネーズ)

 

時計は空にある。

(キユーピー/キユーピーマヨネーズ)

 

海は、もうひとつの畑なんだ。

(キユーピー/キユーピーマヨネーズ)

 

河も、また中国の畑なんだ。

(トウ・キユーピー/キユーピーマヨネーズ)

 

都会で最初に住んだ

場所は忘れられない。

(キユーピー/アメリカンマヨネーズ)

 

都市には

パッケージのない

食品が必要です。

(キユーピー/キユーピーマヨネーズ)

 

荒野にいたときより

シカゴにいたときの方が寂しかった

(パイオニア/ロンサムカーボーイ)

 

街よりも、彼は荒野で死にたかった。

(パイオニア/ロンサムカーボーイ)

 

120マイルを過ぎると、

エンジンの音だけでは寂しすぎる。

(パイオニア/ロンサムカーボーイ)

 

外国ではそこに住んでいる人のように

着るのが、スーツだ。

(メルボ紳士服)

 

その先の日本へ。

(JR東日本)

 

私の国のおいしさは、

まだ半分しか知られていない。

(サントリー/鏡月GREEN)

 

人生 編

 

時代なんか

パッと変わる。

(サントリー/サントリーリザーブ シルキー)

 

このコピーが掲載されたのは1985年。

秋山晶さんはこのコピーについて、「アナクロニズム(時代錯誤)だった」とコメントされています。

参考:新聞広告の変わるもの、変わらないもの

しかしその時代と比べると、現代は明らかに、すまさじいスピードでテクノロジーが進化しています。

2030年には自動車が空を飛び、2040年には宇宙旅行が当たり前になっているそうです。

これからも時代は、想像以上にパッと変わっていくことでしょう。

カイ

 

時は流れない。それは積み重なる。

(サントリー/サントリークレスト12年)

 

遠い日のような、今日。

(サントリー/ジャックダニエルズ)

 

夏はハタチで止まっている。

(サントリー/TROPICAL SUNTORY)

 

このコピー、本当は「夏は19で止まっている。」だったそうです。

最初はクライアントも喜んでいたらしいですが、後日、「お酒は二十歳をすぎたから、と言っているので、すみませんがハタチにさせてもらえませんか?」と要望を受けて修正。

こういうこともあるんだなぁと。

勉強になりますね。

参考:2つの名コピーはこうして生まれた

カイ

 

すべては昔という言葉で片付けられる。

(キユーピー/アメリカンマヨネーズ)

 

多くの夢は、

かなえられた瞬間に失われる。

(キユーピー/アメリカンマヨネーズ)

 

過去はどこにも行かない。

(キユーピー/キユーピーマヨネーズ)

 

図工は2だった。

(キヤノンマーケティングジャパン/Canon MC)

 

メカニズムはロマンスだ。

(キヤノン販売/Canon AE-1)

 

…ing. 出来事には次がある。

(キヤノン販売/Canon AE-1)

 

精神力だけでは、

テープを切れない。

(大塚製薬/カロリーメイト)

 

必要なものは、地味に見える。

(大塚製薬/カロリーメイト)

 

こんな時、セキが出なければいいが。

(大塚製薬/コデックせきどめ)

 

丸くなるな、星になれ。

(サッポロビール/黒ラベル)

 

イメージしてごらん。

それが現実になる。

(東芝)

 

人間 編 

 

人は食べたもので

できている。

(キユーピー)

 

筋肉、内臓、脳、細胞……

ヒトのすべては、食べたものでできています。

そこから動く力が、消化する機能が、考えるエネルギーが、そして生きるパワーができるんですね。

「次の100年に向けて、より一層お客様の食生活をサポートしていきたい」

そのような思いを込めて、キユーピーが出稿した広告です。

参考:新聞広告データアーカイブ キユーピー

カイ

 

「考えてみれば、

人間も自然の

一部なのだ。」

(中島薫商店/キユーピーマヨネーズ)

 

需要は少ない。しかし、必要な人がいる。

(キユーピー)

 

誤解が、私を生んだ。

(キユーピー/キユーピーゼロノンコレステロール)

 

ママはまだ女性として美しいかしら。

(キユーピー/アメリカンマヨネーズ)

 

ママが現在の私より若かった頃。

(キユーピー/アメリカンマヨネーズ)

 

ただ一度のものが、

僕は好きだ。

(キヤノン販売/Canon AE-1)

 

このコピーが世に出てからもう何年も経っていますが、いまだに秋山さんは逡巡されているそうです。

なぜ、“ただ一度のものが”なのだろう。“ただ一度のことが”ではないのか、“ただ一度のなにかが”ではないのか、あるいは、“ただ一度が”ではないのか。その答えは出ていない」

言葉ひとつとっても、考えの深さに驚きます。

参考:コピーを考える前に「誰がデザインするか」を考える

カイ

 

遊撃手のように、僕は撮った。

(キヤノン販売/Canon AE-1)

 

花を見過ごしている人が、

花の写真を見てしみじみとする。

(キヤノン販売/花博写真美術館)

 

20歳までに、

僕はいくつ河を渡るだろうか。

(パイオニア/ランナウェイ)

 

父は本を持って家を出た。

僕はランナウェイと汽車に乗る。

(パイオニア/ランナウェイ)

 

24時間、900ml。

人は見えない汗を

流している。

(大塚製薬/ポカリスエット)

 

僕は誰にも似ていない。

(サントリー/サントリーリザーブ)

 

人は、人を思う。

(キリンラガービール)

 

私を、私たちにする。

(東京デジタルホン/J-PHONE)

 

私を笑え。

(フジテレビジョン)

 

ふつうの17歳なんか、

ひとりもいない。

(KDDI/au)

 

食事 編 

 

野菜の色を食べる。

(キユーピー/キユーピーマヨネーズ)

 

野菜の色(=太陽が染めた色)の多くは、紫外線から身を守るためにできた抗酸化物質。

そして野菜の色は見た目だけでなく、人の身体にも役立つ力を含むそうです。

つまり、野菜は人間の味方。

そう教えられると、野菜を食べたくなりませんか?

こちらにはCMや撮影秘話が載っています。

参考:キユーピーマヨネーズ「色の力。ロメインレタス」篇

レタスのアップに、淡々と語るナレーション。

ちょっと怖いですが、説得力ありありのCMです。

カイ

 

野菜は自衛する。

(キユーピー/キユーピーマヨネーズ)

 

イライラするのは、

生きた植物が、

足りないからかな。

(キユーピー/キユーピーマヨネーズ)

 

すべての生物は、食べるものでできている。

(キユーピー/キユーピーマヨネーズ)

 

料理を速くすると、夜が長くなる。

(キユーピー/キユーピーマヨネーズ)

 

サンドイッチを

「片手で食べるサラダ」と位置づける。

(キユーピー/キユーピーハーフ)

 

speed! 料理は高速へ

(キユーピー)

 

サラダ化現象

(キユーピー)

 

しあわせだと、食べすぎない。

(キユーピー)

 

愛は食卓にある。

(キユーピー)

 

アルカリ・ランチ

(中島薫商店/キユーピーマヨネーズ)

 

甘さを少なくするだけなら、

誰にでもできる。

(アヲハタ/55ジャム)

 

僕達の食堂は、

24h開いている。

(大塚製薬/カロリーメイト)

 

わたしたちの食堂は、

教室・バス停・空の下。

(大塚製薬/カロリーメイト)

 

商品 編 

 

水よりも、

ヒトの身体に

近い水。

(大塚製薬/ポカリスエット)

 

どっちも水なんですけど、「ヒトの身体に近い」をつけることで、圧倒的なブランディングを施しています。

特徴と事実とロマンをギュッとつめ込んだ15文字。

しかも全年齢に届くことばです。

超絶にしびれます。

ぼくがいちばん最初に衝撃を受けたコピーです。

こちらはCMバージョン。

ナレーションはビートたけしさん。

語りかけるような渋い声が、ハイパーかっこいいです。

カイ

 

ノドをうるおす水と

身体をうるおす水がある。

(大塚製薬/ポカリスエット)

 

人間の欲しがる水と、

植物が欲しがる水は違う。

(大塚製薬/ポカリスエット)

 

花にも、

きっと好きな水がある。

(大塚製薬/ポカリスエット)

 

野菜を見ると、

想像するもの。

(キユーピー)

 

このコピーは、インタラクティブ(双方向のやりとり)を大事にして作ったそうです。

すると広告を見た人が、思い出を書いてくるほど反響があったとのこと。

「そのとき、広告ですべてを仕上げてしまい、完結させるのはやめようと思ったんです。」

一方通行に言葉を押しつけるだけじゃあ、響かない時代になったのかもしれませんね。

参考:コピーで曲を書くメロディーメーカー

カイ

 

渇きを止めるだけではありません。

(大塚製薬/ポカリスエット)

 

都市とマヨネーズ

(キユーピー)

 

安全が商品になる時代が終わりますように。

(キユーピー)

 

このコピーを詳しく分析した記事があります。

参考:週刊広告論 第29回「Q」

なぜ、真っ白い紙に一行だけ書かれたコピーが「もつ」のか?

かなり論理的な分析で、勉強になりました。

興味のある方は、どうぞ。

カイ

 

フルーツは2度生まれる。

(アヲハタ/55ジャム)

 

フルーツには続きがある。

(アヲハタ/55ジャム)

 

うるさそうな女に会ったので

酒はジンにした。

(サントリー/ドライジン)

 

あまり話したくないので

酒はジンにした。

(サントリー/ドライジン)

 

セガは、倒れたままなのか?

(SEGA/ドリームキャスト)

 

11月X日 逆襲へ、Dreamcast

(SEGA/ドリームキャスト)

 

名前以外は、すべて新しい。

(TOYOTA/マークⅡ)

 

ホネケーキ以外はキレイに切れません

(資生堂/資生堂ホネケーキ)

 

比叡山に、やがて月桂冠になる雨が降る。

(月桂冠)

 

男は黙って

サッポロビール

(サッポロビール)

 

まとめ:コピーは結局「ぱっと見」

 

いかがでしたでしょうか。

 

ここまで80本の名コピーを見てきました。

 

秋山晶さんはコピーを作るうえで、「ぱっと見」を大切にしているのだそうです。

 

コピーは結局「ぱっと見」なんですよ。「ぱっと見」がいいのは最初に書ける。あとは親切なコピーになっちゃう。助詞が入っているとか、“てにをは”が入っているとか。その“親切”が、コピーにとっては一番ネガティブなことなんですね。

——コピーは「ぱっと見」が何よりも大切 より引用

 

たしかに秋山晶さんのコピーは、「ぱっと見」て伝わってくるものが多い気がします。

 

それでいて、その時代の要点や、ハードボイルド的なロマンが詰め込まれているように感じました。

 

ネット広告が主流になった現代では、「興味がない」と思われたら、0.1秒くらいですぐ飛ばされますよね。

 

「ぱっと見」勝負で負けないようためにも、先人たちのコピーを見て勉強し、知識を蓄えて、スキルを磨いていきましょう!

 

秋山晶さんの作品集はこちらです↓↓

 

 

 

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