コラム

【名作まとめ】岩崎俊一さんのキャッチコピー100本【コピーは、見つけるもの】

2021年5月20日

 

こんにちは、カイです。

この記事では岩崎俊一さんの名作キャッチコピーをご紹介します。

カイ

 

コピーライターの中でも群を抜いて、さまざまな企業メッセージを手がけた岩崎俊一さん。

 

2014年12月20日、享年67歳で他界されましたが、遺された数多くのコピーは、いまなおたくさんの人に愛され続けています。

 

コピーとは、『作る』ものではなくて、『見つける』ものと語っており、そのような視点で見ると、想いの深さがより分かるかもしれません。

 

ジャンルごとにまとめているので、気になるところからご覧ください。

 

幸福 編

 

会う、贅沢。

(西武百貨店)

 

コロナの影響で、かんたんに会うことができない現在。

1983年に生まれたこちらのコピーを、もう一度思い出したい。

これからも長い間、会えない時期が続くかもしれません。

だからこそ、会えるときは、その時間をいつもより大切に、いつもより愛おしく過ごしたいですね。

6文字で、これほど深い意味を持たせるコピーは、そうそうありません。

圧巻です。

カイ

 

ひとの、幸。

(西武百貨店)

 

なんでも持っている人に、

それでもあげたいのは健康です。

(そごう・西武百貨店)

 

毎日使うものを

あげると、

その人の人生に

貢献できると思った。

(そごう・西武百貨店/オリーブを贈る西武のお中元)

 

あなたがいてくれて、ありがとう。

(日本財団)

 

あなたは私の異国です。

(パルコ)

 

あなたに会えたお礼です。

(サントリー/サントリーウイスキーの贈りもの)

 

ぼくが、

一生の間に会える、

ひとにぎりの人の中に、

あなたがいました。

(サントリー/ローヤル・お歳暮)

 

自分の欠点を人と一緒に笑えるのは、

その人の長所です。

(セゾン生命保険)

 

負けても楽しそうな人には、

ずっと勝てない。

(セゾン生命保険)

 

話された言葉の向こうには、

本当に言いたかったことが

いっぱい眠っている。

(ソニー生命保険)

 

人は貧しいという理由で

死んではいけない。

(日本フォスター・プラン協会/フォスター・ペアレント募集)

 

仕事は人を幸せにできる。

(トヨタ自動車/ウィンダム)

 

フルコースは、

前菜から始まり散歩で終わった。

(藤田観光/HOTEL 椿山荘 TOKYO CHINZANSO)

 

きゅうくつは、うまい。

(東京新聞)

 

人が少ない場所に住むと、

人を想う時間が長くなる。

(フジテレビ/ドラマ「優しい時間」)

 

幸せな人は、やりた

いことがある人だ。

(Club willbe)

 

人生 編

 

人生は、

冬ではなく、

春で終わりたい。

(介護付有料老人ホーム『ヒルデモア』)

 

しんしんと冷える冬

どこかさびしげな冬

草木が枯れ 動物も眠る冬

それよりも

ぽかぽかと暖かい春

にぎわいをみせる春

草木が生い茂り 動物も起き始める春

もしそこで人生を終われるなら

きっと幸せだろうなぁ

そんなことをしみじみと考えるコピーです。

カイ

 

無鉄砲という武器を、

あんたにあげよう。

(小学館/ビッグコミック)

 

21世紀に間にあいました。

(トヨタ自動車/プリウス)

 

英語を話せると、10億人と話せる。

(ジオス/英会話のジオス)

 

朝、めざめたら、疲れていた。

何の為の睡眠だったのだろう。

(タケダ/アリナミンA)

 

音楽を聴いている。

ぼくは生きている。

(ソニー/ウォークマン&カセット)

 

君の前で歌いたい。

僕の前で聴いてくれ。

(ソニー/リバティ)

 

聴こえてくるのは、いのちです。

(ソニー/ディスクマン)

 

雨の日の

記憶は

濃い。

(積水ハウス)

 

花を育てるようになると

雨が好きになる。

(積水ハウス/シャーウッド)

 

バーゲンに行くと

生きてる気がする。

(西武百貨店/’95冬市)

 

「残りもの」

は嫌い。

「最後のひとつ」

は好き。

(そごう・西武百貨店/そごう冬市)

 

各人停車。

(西武百貨店)

 

夏は、交差点。

(西武百貨店)

 

苦労させて、あげましょか。

(サントリー/サントリーオールド)

 

テレビは娯楽。ここは極楽。

(サントリー/サントリーオールド)

 

さしあげたのは、時間です。

(サントリー/サントリーウイスキーの贈りもの)

 

バケーションを、ありがとう。

(サントリー/サントリーウイスキーの贈りもの)

 

あなたのそばが、いちばん遠い。

(サントリー/リザーブ)

 

一度、ふられていらっしゃい。

(サントリー/サントリーオールド)

 

人間 編 

 

美しい50歳が増えると、

日本は変わると思う。

(資生堂/アクテアハート)

 

少子高齢化社会がとまらない日本。

このコピーが書かれた1997年には、その流れがゆるやかに始まっていました。

もしかしたらこのコピーは、それを受けて書いたのかもしれません。

時代を的確にとらえて、前向きな提案をコピーで表現。

企業×時代×言葉のかけ算でつくられた、説得力のあるコピーです。

ちなみに、11年後の2008年には、『美魔女』という言葉が生まれました。

ちょっとした予言のように感じますね……

カイ

 

メイクをした顔が、

自分のほんとうの顔

だと思う。

(西武百貨店/スタイリッシュライフカレッジ)

 

顔を変えるより

髪を変えるほうが、

顔は変わる。

(西武百貨店/スタイリッシュライフカレッジ参加者募集)

 

ひとは、引力。

(西武百貨店/西武のお歳暮)

 

夏の私は、

衝動物である。

(そごう・西武百貨店)

 

少女は無口になった。

夏の終わりだった。

(パルコ)

 

むね上げ。

むねがこみあげる日、という人がいた。

(積水ハウス/SHAWOOD)

 

これからの老人はでかい。

(積水ハウス)

 

老人が住みやすい家は、

人間が住みやすい。

(積水ハウス)

 

人は、

書くことと、消すことで、

書いている。

(トンボ鉛筆)

 

読んでいる人は戦えない。

(集英社)

 

受験のいいところは、

ひとりで生きているんじゃないと、

知ることかもしれない。

(河合塾)

 

他人をからかうのは好きなのに、

自分がからかわれるとすぐ怒る人が

私はさびしい。

(セゾン生命保険/エバーグリーン)

 

仕事の約束は誰でも守る。

遊びの約束をすぐ破ってしまう人が

私はさびしい。

(セゾン生命保険/ユーフレックス)

 

仕事に追われ、生活に疲れる。

日本では大人の話です。

(日本フォスター・プラン協会)

 

おとなから幸せになろう。

(長谷工コーポレーション/ブライトンホテル)

 

家族 編 

 

父は、君が好きです。

ただ、それだけです。

(MIKI HOUSE)

 

ただそれだけで、しっかり育てる。

ただそれだけで、いろいろ教える。

ただそれだけで、ちゃんと叱る。

ただそれだけで、たくさん愛する。

見返りなんて必要ない。ただ好きだから。

父親の深い愛情をあらわしたコピーです。

しびれます。

カイ

 

父は1日に1度だけ甘い時間を残した。

(明治屋/Myジャム)

 

私は父です。

私には健康が必要です。

(ゼリア新薬工業/ゼリアス)

 

お父さんに

さわりたい。

(中日新聞社/1979年国際児童年)

 

コミックを持って、

僕らは父親になった。

(小学館/ビッグコミックスピリッツ)

 

父を元気にしないと

ニッポンが心配だ。

(西武百貨店/父の日)

 

母がきれいだと

歳をとるのが、

こわくない。

(西武百貨店/母の日)

 

親は、半分しか育てられない。

(東京新聞)

 

おとなの中で

親がいちばん

かわいい。

(ラフォーレ原宿/ディアーキッズ)

 

子どもの心配はするのに、

自分の心配をする大人は少ない。

心配だ。

(セゾン生命保険/ユーフレックス)

 

転職しても、子は育つ。

(リクルート/週刊就職情報)

 

土地 編 

 

人の心が、

年の初めに届く国。

(日本郵政)

 

『心を伝えるコミュニケーションツール』として、年賀状をコピーでブランディング。

「皆さまの心がこもった年賀状を、私たちの手でお届けすることで、皆さまの想いを伝える、心を繋ぐお手伝いをさせていただきます」(日本郵政)

いまはLINEがメインかもしれませんが、それでも同様のことが言えますね。

日本ってステキな国だなぁと、心があたたかくなるコピーです。

カイ

 

暑い国は、明るい国でなくっちゃ。

(そごう・西武百貨店/そごう夏市)

 

気がつけば、

大きなテレビをひとりで見る国になっていた。

(ヒルデモア)

 

買い物にも行けない東京の忙しさを

ふるさとで実況中継してほしい。

(西武百貨店/駆けこみギフトセンター)

 

東京でいちばん新鮮なものは、

ニュースです。

(東京新聞)

 

東京でいちばん多い生き物は、

野次馬である。

(東京新聞)

 

都心さえあこがれる街。二子玉川

(二子玉川ライズ)

 

ブランドショップが並ぶ街は他にもある。

しかし、そこに川はない。

(二子玉川ライズ)

 

商品 編 

 

ロケットも、

文房具から生まれた。

(トンボ鉛筆)

 

見上げるほど大きくて、複雑なパーツがたくさんあるロケット。

そのスタートは、頭の中で生まれたイメージを、紙に書き出すことからはじまります。

夢を叶える1歩目は、自分とエンピツ。

文房具の価値を再定義した、すごいコピーです。

こちらの本では、岩崎俊一さん自身が、このコピーを解説されています。

とても勉強になりました。赤線だらけです。

カイ

 

 

ベストセラーより、ロングセラーを。

(明治屋/Myジャム)

 

ロレックスとは、

妻より長い。

(A・M・I /ロレックス)

 

髪は弱いものと考える。

(資生堂/新スーパーマイルドシャンプー)

 

つくりたくて、つくりたくて、つくりました。

(資生堂/ミネラルウォーターのシャンプー)

 

カメラは手に聞いて、つくれ。

(ソニー)

 

ミゼットを飼おう。

(ダイハツ/ミゼットⅡ)

 

毎日ビールを飲んだ。

それでも渇いていた。

(キリンビール/ビール)

 

塩を

甘くみては

いけない。

(そごう・西武百貨店)

 

千年生きて、

贈り物になりました。

(そごう・西武百貨店/お味噌を贈る西武のお歳暮)

 

旅に出る服は、写真に残る服だ。

(西武百貨店/トラベルワンダーランド)

 

今年の服を着ていても

顔が去年のままですよ。

(西武百貨店/スタイリッシュライフカレッジ参加者募集)

 

服を買いに行く服がない。

(ミレニアムリテイリング、そごう・西武百貨店/そごう夏市)

 

服は、

太りはじめを

教えてくれる。

(そごう・西武百貨店/そごう冬市)

 

服は、肌より先に抱きしめられる。

(西武百貨店)

 

年賀状は、贈り物だと思う。

(郵便事業/年賀はがき)

 

企業 編 

 

やがて、いのちに変わるもの。

(ミツカングループ本社)

 

泣いたり、笑ったり、恋したり、育てたり……

生きていれば、いろんな1日があります。

その1日1日をつくっているのが『食べもの』。

つまり、食べものは『いのちのもと』なんですね。

食物の大切さを教えてくれる、なんとも神秘的なコピーです。

ミツカンのHPには、より詳しいグループビジョンが載っています。

またこちらは、このコピーの制作秘話や、ほかの企業広告について語るインタビュー記事です。

参考:企業の根源的な価値を伝える広告 岩崎俊一氏

とても勉強になりますので、興味のある方は、どうぞ。

カイ

 

今日を愛する。

(LION)

 

ひとりを愛せる日本へ。

(日本郵政グループ)

 

幸福は、

ごはんが炊かれる場所にある。

(プレナス/ほっともっと)

 

がんばる人の、

がんばらない時間。

(ドトールコーヒー)

 

かじっていたのは、夢でした。

(明治製菓/ミルクチョコレート発売70周年広告)

 

きたえた翼は、強い。

(全日本空輸)

 

トンボが動いている。

人が、何かを生み出している。

(トンボ鉛筆)

 

微笑むプレミアム。

(レクサス)

 

さ、世代コータイ。

(KDDI)

 

お味噌汁は、からだと生きていく。

(マルコメ)

 

木と生きる幸福。

(住友林業)

 

人間という肩書で、生きようと思う。

(Club willbe)

 

まとめ:幸福になること

 

いかがでしたでしょうか。

 

読んでいると、なんだか幸せになってくるコピーが、たくさんありましたね。

 

岩崎俊一さんの著書『幸福を見つめるコピー』には、このようなことが書いてあります。

 

幸福になること。人は、まちがいなく、その北極星をめざしている。(中略)コピーも例外ではない、といばるつもりはないが、少なくともここをめざして書かなければいけないと、ずっと思ってきた。それは、企業は何のために存在するのか、商品は何のために生まれてくるのかを考えれば自明である。

——『幸福を見つめるコピー』序文より引用

 

企業も商品も、そしてコピーも、人の役に立つために、人を幸せにするために、生まれてるんですね。

 

コピーを書く際には、「読んでくれる人は幸せになるかなぁ」と考えて書くと、人の心に届くあたたかいコピーが、できあがるかもしれません。

 

すこしずつ意識して、コツコツ取り組んでいきましょう!

 

 

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